2020年上半期・読書記録

過去の投稿を読み返していて「上半期読んでよかった本はまた後日」という一文が目に留まり、この記事を書いています。

 

2020年の上半期の読書記録で特筆すべき点は、電子書籍で本を読むようになったこと。

 

これも過去の投稿で触れましたが、図書館や書店へ容易に行けなくなったことをきっかけに電子書籍を利用することになったのですが、電子書籍だと不思議と自分にとってハードルが高い内容の本も手に取りやすいので、今まで敬遠していた分野の本や社会問題に関する本をたくさん読んだ半年となりました。

 

★衝撃だったで賞

恍惚の人有吉佐和子

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以前交流のあった先生から教えていただいた本。

ちょっと前に「少子高齢社会の今だからこそ読みたい約50年前の不朽名作!」といった趣旨の広告を見かけたことも重なって、読み始めました。

先生も大学時代に読んでかなり衝撃を受けたらしいけれど、私も衝撃を受けました。

これが50年近く前の作品だなんてただただ凄いとしか言いようがない。

日本の社会福祉政策は確実に良くなっているとは思うけれど、

介護に追われる家族の働き方や生活は50年前からさほど変わっておらず、

負担があまり軽減されていないことに驚いた。

最近「働き方改革」「テレワーク」という言葉もよく聞かれますが、

社会福祉政策を根底から手厚いものにした上で

ひとりひとりが充実した生活を送るには、

バラマキと呼ばれる付け焼刃の社会福祉政策ではなく、

ライフステージや家庭の事情に合わせた働き方の見直しが

いかに重要であるかを肌身で感じさせてくれた作品でした。

 

★学生時代に読みたかったで賞

『東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』西成活裕

 

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本を読んで、久々に目から鱗が落ちる体験をしました。

自他ともに認める数学嫌いですが「数学って全然難しくなかった…!」と思ったほど。

あまりにも分かり易いのでR-16指定がついていますが笑、

数学が苦手な学生の皆さんに読んで欲しいと思える本です。

苦手と言う思い込みの魔法が解けて、きっと世界が変わるはず。

学生時代にこの本と出会えていれば、もっと数学の成績もよかっただろうな~!

 

★密やかに笑えるエッセイで賞

『もしもし、運命の人ですか。』穂村弘

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穂村弘さんの短歌が好きで出版された本はほとんど読んでいますが、

恋愛に特化しているので、穂村さんの作品の中では最も大人びているかもしれません。

それが却って面白さを引き立てているように思います。

どのエピソードもありふれた日常生活の一場面で共感できるところもあるのに、

穂村さんの手にかかった途端に何だか面白おかしくて笑えてしまう。

きっと常識人だしいい人なのに、妄想の常軌を逸している絶妙な文章。

後をひく面白さがあって、職場の内線・菓子パン・駐車場・料金所を見ると、

ついつい思い出し笑いをせざるを得ない。笑

 

他にもたくさんのいい本との出会いがあったのですが、

特に印象に残った3作品を選びました。

下半期は自分のルーツを探るような作品を読んでいきたいなと思っています。